やまものアウトプット日記

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【経産省審議会】水素・アンモニアサプライチェーンの実装に向けた投資と需要喚起策の方向性

 

www.meti.go.jp

4/18に資源エネ庁事務局の総合資源エネルギー調査会 第2回 省エネルギー・新エネルギー分科会 資源・燃料分科会 アンモニア等脱炭素燃料政策小委員会 合同会議が行われました。

 

事務局の資源エネ庁から、水素・アンモニアサプライチェーン投資促進・需要拡大策が提示されています。

 

以下、事務局資料の要点をまとめてみました。

注)※印はやまもの追記です

┃水素・アンモニア需要の規模感

  • 国際エネルギー機関(IEA)のシナリオによると、アンモニア等を含む水素の需要は2030年には2020年の約2倍強の2億トン、2050年には同年約6倍弱の5億トンを見込む
  • 一方、供給は2020年ではほぼ化石燃料由来(化石燃料の水蒸気改質等で生成した水素)だが、2030年には化石燃料をCCUS(CO2の利用・貯蔵)したブルー水素、再エネ電気由来の電解水素(グリーン水素)が化石燃料とほぼ同量を占め、2050年にはブルー水素由来で2億トン、グリーン水素由来で3億トンを占める
  • 国内では水素・アンモニアの用途先として輸送(FCV、FCバス/トラック)、熱需要(バーナー)、火力発電等が挙げられ、技術開発・実証が進んでいるところ

┃水素・アンモニアの商用サプライチェーン構築

サプライチェーン構築に向け以下の論点が提示されました

  • 水素の供給コストは2020年で100円/m3(水素ST販売価格)、供給コストの低減が課題であり、2030年の目標コスト30円/m3、供給量300万トンを達成するためのサプライチェーン構築を目指すべきでは?
  • どの水素を対象に(国は)支援すべきか?海外水素をキャリア変換したメチルシクロヘキサン(MCH)やアンモニアも対象にすべきか?※再エネ適地で製造された海外水素は国内水素よりコスト優位性がある
  • 初期の水素等供給事業を考えると、水素の需要が少ない(=販売量が少ない)ことで初期投資・製造コストを回収できないリスクがあるため、長期契約等で販売価格・量を安定化させるような(国の)支援が必要では?
  • 供給コスト低減を事業者に促すためには、FIT制度の買取価格の決定に市場原理(入札制)を導入することや供給コストを目標値まで引き下げるまで補助金を導入すること等が考えられるが、ひとつの方策に限定しないほうがよいのでは?
  • グリーンイノベーション基金等、すでに支援する政策もあるので、水素等のバリューチェーンの全体像を踏まえ、もれなくダブりのない政策のすみわけが必要では?

水素等のバリューチェーンの全体像
【出所】経産省 第2回省エネルギー・新エネルギー分科会 資料1

 

┃効率的な水素・アンモニア供給インフラの整備

供給インフラを整備するにあたり、拠点形成、(国の)支援、主体者のありかたについて以下の論点が示されました。

拠点形成

  • 2050年の絵姿をバックキャスト(逆算)して考えると、海外水素等を受け入れるカーボンニュートラルポートに近接する形で大規模な需要(水素を利用する化学プラントや水素火力発電所)を戦略的、計画的に配置すべきでは?
  • 一方足元から考えるフォアキャストの視点では、潜在需要地として、①水素等の火力発電所、②コンビナート等の多産業集積地、③地域の再エネ生産地が考えられるので、それぞれの特性を活かした拠点化の課題を整理しては?

(国の)支援

  • 供給インフラといっても、受入・貯蔵→輸送→利用と様々あり、輸送だけ取ってもパイプラインとローリーの方法があるので、何を支援すれば最も水素等が普及するか?

主体者のありかた